浜松市南区で34年間続いた雨漏りをリフォーム – ビフォー
こちらのお客様は、ご紹介で工事を頂いたお客様になります。浜松市南区で築34年の鉄骨造の住宅にお住まいです。
元々長い間雨漏りに悩まされていたそうなのですが、今回は2階の洋室の天井から大量の雨水が漏れてきたことから本格的な雨漏り工事を決断されました。
今回の岡本様の事例では、工事前の様子と工事中の様子を写真を交えて詳しくご紹介させて頂きます。今のお住まいで、最近天井がシミっぽい、雨が降るたびに床が濡れている事があると言う方は必見ですよ
ご紹介を頂いた時、岡本様はすでに他社でお見積りをとられた後でしたが、
「本当にその施工方法でいいのか分からず困っているみたいだから、一度見てあげてほしい」とご紹介者の方からご依頼があり、直接お話を伺うことになりました。岡本様のご自宅は築34年の鉄骨造、屋根は陸屋根と言って平たい屋根です。
工事前の建物の中の様子はこんな感じでした
ご自宅を拝見すると家のあちらこちらに雨漏りの跡がありました。
例えば右の写真は2階廊下の写真なのですが、写真の中央付近の天井に白いテープが張られているのが見えますでしょうか?
ここは、雨が降るたびに天井をスゥーっと水が伝ってきて、いつ同じ場所で床に雨を落としている場所です。こちらは新築工事をしてすぐに発生した雨漏りらしいのですが、水の量も多くなかったため、拭き掃除をする程度でそれほど気にしていなかったそうです。
写真は2階の天井ですが、天井のビニールクロスが裂けています。実はコレ、天井から水が落ちてきた跡なんです。その時の様子を岡本様に伺うと・・・
岡本様「雨が続いた後、この天井部分が風船みたいにパンパンにふくれて大きくなってたの。だからにふくらんだ天井を、ものさしで突っついたら・・・
トバァーーッ!!って、水が部屋に降ってきたのね!」
どうやら、屋根から入ってきた雨が天井裏にたまってパンパンに膨らんでいた様子。そして棒で突いたところたまっていた水が一気に落ちてきたそうなのです。
その件でさすがにビックリし「いよいよ雨漏りもしっかり直さなきゃいかん」
と、知っている業者に見積もりを依頼したのがきっかけだったそうです。
屋根に上って防水層の状態をチェックしました
実際に屋根に上ってみると、屋根面は予想を超えた状況でした。
岡本様「屋上は建ててから初めて見たけど、こんなにひどいとは思わなかった」
とお客様がおっしゃるくらい、屋上の防水層は傷みが進んでいました。また、屋上のスラブ(平らな部分)は部分的に防水層を上から張り付けて補修しているのですが、あちらこちらで防水層が切れてしまっているのです。ハッキリ言って、これでは漏れない方がおかしいというくらいの状態でした。
こちらの継ぎはぎになっているところは、15年前に部分補修をした際に上から穴の補修をした場所です。15年前の補修当時、どういう状況だったのかは分かりませんが、現在は防水層の効果はほぼ切れかかっています。
こちらは、表面の防水層が完全に切れてしまっている部分です。このように防水層が切れていると中にドンドン水が入ってしまいます。
とにかく、防水層に開いている穴を塞がない事には雨漏りは直りません。
2階ベランダ部分の防水はこのようになっていました
2階ベランダ部分も雨漏りが強く疑われる場所でした。ここから侵入した雨水は、真下にある和室の天井に大きなシミをつくっていたからです。
こちらも以前一度修復してもらったとの事でしたが、仕上げ処理が雑な事と外壁塗装をしばらくしていないため防水層の塗膜が劣化した事が原因で外壁から雨が染み込んでいる様子でした。
更にビックリしたのが左の写真のコーキング(写真中央あたりの黄色い部分)
です。
岡本様「素人みたいなやりかたをされちゃったの!」
こちらは職人さんに依頼してやってもらったと言うコーキングですが、手で塗りつけたような雑な仕上げ処理です。当たり前の工事を、当たり前に行う事が出来ない業者がいないとは言いません。が、しっかりとした工事の出来る業者がいかに少ないかを実感した現場でした。
また、外壁の「ALC(軽量コンクリート)」パネルとサッシなどの継ぎ手部分は、ところどころひび割れが入っていました。これは塗膜の劣化が進んできて、下地を保護しきれなくなっている状態です。
すでに塗膜の下にあるコーキングにも悪影響を与えているので、コーキングからやり直さないといけない状況です
また、こちらの写真のように外壁の一部が膨らんでおり、表面に亀裂が入っています。(亀裂は以前に応急処置されています)
実はこの外壁の膨らみと塗装の状態はとても大きな問題になり得る部分です。
ただの膨らみと塗装が大きな問題になる?
鉄骨造の岡本様の住まいの壁には
「ALC(軽量コンクリート)」が使われています。軽量コンクリートは、骨組みとして他の鉄筋コンクリートと同じよう鉄筋が入っています。
こちらのイラストはALCパネルのイラストですが、中の鉄筋を外側の軽量コンクリートが包み込むように製造されています。
ALCパネルで注意が必要なのは、ALCパネル自体には防水性が無い事です。
つまり、防水の塗装をしてあげなければALCパネルはドンドン水を吸い込んでしまうと言う事です。ですから、普段水にぬれない内部はともかく、水に濡れる外部は定期的な塗り替えが必ず必要になるんですね
中の鉄筋も普段はコンクリートに守られているんですが、鉄なので水分に弱いです。そのため、防水処理がしっかりされていないと、水を含んだ鉄筋は錆びて膨らみます。古い鉄の手すりなんかも、よく錆びて膨らんでいますよね。
鉄が錆びて膨らむ力は中々強いため、鉄筋を包んでいるALCが膨らみを吸収できずにALCの表面が割れてしまうんですね
サビが広がってしまうと壁がボロボロになり、大掛かりな壁修復工事が必要となってしまいます。費用もかなりかかります。
吹き抜け部分の外側の窓はこんな風になっていました
こちらは吹き抜けにある2つのはめ殺し窓です。横殴りの雨が降った時はこちらの窓からも雨漏りがあったそうです。
窓周りを調査すると、窓をアルミ枠に抑え込んでいるゴムが劣化していました。
はめ殺し窓を室内側から見た様子です。室内側にある壁の表面に少しヒビが入っているのがわかりますか?
一見大した事が無いような気がする部分ですが、先ほどご説明した様に、雨漏りが原因で壁の中に水が染み込み、中の鉄筋をサビさせている可能性が高いです。
ただ、今回ははめ殺し窓からの雨漏りであるとほぼ特定できている事と、壁の膨らみが進んでいる気配が無いことから、外部に直接接する事が無いこちらの壁は現状のまま維持する事としました。
現場調査後にお打ち合せ
屋上、吹き抜け部分のはめ殺し窓、2階のベランダ部分の3か所をチェックした後雨漏りの様子や状況など、色々とお話を伺いました。
すると・・・
岡本様「なんしょ、建ててる時から雨が漏っていただに!」
なんと、新築工事をしている時から雨漏りがあったとの事。その後、どのような処置をしたのかは分からないのですが、雨漏りは直る事は無かったそうです。
まぁひどい業者もいるんだなぁ…と思いつつ、さらにお話を聞いてみると
岡本様「ここを建てた人は鉄骨の家は初めてだったみたいでねぇ… 建てて間もなく廃業しちゃったみたい。設計屋さんも今は廃業しちゃってるよ」
との事。家は長く住みます。そのためにはメンテナンスが欠かせません。ですから、メンテナンスの事を考えると、安定して仕事をしている経験豊富な業者との付き合いがとても大事です。
岡本様「とりあえず、雨漏りの心配をしなくていいようにしてほしい」
ですから、今後は雨漏りの心配が無いように、点検部分に関しては最善の修繕リフォームをご提案させて頂く必要があります。普通ではありえない、建築時から雨漏りと戦ってこられた岡本様。少しお話を伺うだけでも、雨漏りに対する不安と不満を感じていらっしゃる事が良く分かります。
次回はご依頼頂いたお見積りと決めていただいたポイントなどを交えて、工事の様子~アフターの様子を詳しくご紹介していきます。
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