浜松市南区で屋根がまるごと飛んだ台風被害の修復リフォーム
こちらのお客様は、以前よりおつき合いいただいている浜松市南区松島町にお住まいのお客様です。
今回は、平成23年9月の台風15号の被害で屋根などの外装に大きな被害が発生してしまったため、屋根の修理をして欲しいとご依頼を頂きました。
超大型台風の上陸地点付近だった浜松市の中でも、特に被害の大きかった南区の海岸付近のエリアです。家の立地によっては平屋の家でも大きな被害が出た台風15号の規模の大きさが、今回の事例でよくわかりますよ
こちらの中尾様から最初にご連絡いただいたのは、台風が通過した9月21日の夕方でした。台風通過後はたくさんのお客様からご連絡を頂いたため、人員的にパンク状態でスムーズにお客様への訪問ができず、大変歯がゆい思いをしました
台風通過直後の様子です
「屋根が全部飛んじゃったから何とかして」というお客様のご連絡で大至急現場に向かいました。
現場に到着しました。なんだかただならぬ雰囲気です。
被害があった屋根面に登りました。
なんと、金属製の屋根がほとんど飛んでしまっています。板金の屋根は1枚1枚の大きさが大きい上に、一つ一つがつながっていますから、一度風が回りこんで屋根材が飛び出してしまうと隣合う屋根も次々と飛び始めてしまいます。
結果、このように屋根のほとんどが飛んでしまったようでした。茶色く見えているのは屋根下地のボードで、当然びしょ濡れです。ここに雨が吹き込んで家の中は大変な状況だったそうです。
屋根は大半が飛んでいってしまい、エアコンの室外機も転がって壊れてしまいました。なお、どこかに飛んでいった屋根の板金は鉄くず回収業者が勝手に持って行ってしまったそうです・・・
家の被害とは直接関係ないですが、中尾様の隣にあった足場屋さんの資材置き場が風で倒れています。こんな重いものも倒してしまう風の強さにはびっくりタマゲてしまいますね
屋根の仕上げ材の板金部分が全て飛んでしまったので、そのままでは雨がジャージャーに入ってしまう状態です。一先ず一時雨抑えとしてブルーシートで養生をしました。その上で、ブルーシートが飛ばないように木で抑えていきます。
屋根の庇の裏も水が入り込んでボロボロになってしまいました。屋根材と屋根の鼻先の部材(鼻隠しと言います)もかなり被害が出ています。
家の中も水浸しになってしまいました
さっきも書きましたが、屋根が飛んでしまったので家の中は水浸しです。あまりにも雨が入ってくるので、水の重みで天井が落ちてしまい大変だったそうです。
他の部屋も天井は雨シミだらけです。まあ、あれだけ屋根が飛んでいってしまえば仕方ないですね・・・
保険申請をしていきます
台風15号は浜松に上陸して記録的な被害を出しました。住宅への被害も大きく、保険会社も通常時とは違う特別本部を設置して対応している会社もあったようです。
中尾様も災害保険に加入されていましたので、被害場所を修復するための見積りを作成し、修理にかかる費用のほぼ満額の保険金をもらうことが出来ました。やっぱり損害保険は入っていると安心ですね
屋根の復旧作業を開始します
これで屋根復旧のための作業を進められるようになりました。まず最初は屋根材を施工するための下地を作らなければなりません。と言うのも、古い板金屋根のしたは木のチップを接着剤で固めた板で、濡れてしまったことによりボロボロの状態だったからです。
下地が悪い状態では新しい屋根材を支えられませんから、屋根材の前に新しい下地を入れなければなりません。でも、その前に一工夫です。
写真をご覧いただくとわかるように、夏場の暑さ対策として断熱材を入れました。板金の屋根はほとんど断熱性がありませんから、屋根下に断熱材を入れるだけで温度感がかなり変わります。断熱材よりも少し厚みのある骨を入れて、その隙間に板状の断熱材を入れていきます。
この断熱材はカネライトフォームと言って、少しの厚みでも高い断熱性能を持っています。そのため、厚み自体はそれほど無くとも効果は十分感じられます。このような断熱補強工事は住み心地が大きく変わりますし、屋根の葺き替え工事などをする場合は非常に作業をしやすいのでかなりオススメです。
断熱材を入れた後、いよいよ屋根の下地合板を張っていきます。屋根下地にしっかり固定されるようにラインを付けて固定していきます。
最後に防水層を施工します。こちらはアスファルトルーフィングと言って、住宅などで一般的に使われる材料です。瓦や板金屋根などの材料は水も防ぎますが、アスファルトルーフィングなどの防水層を保護するという大事な役目もあるんですよ
この上に新しい板金の屋根材を仕上げて作業完了となります。
屋根工事が完成しました
屋根の仕上げ工事が完成しました。この屋根はガルバリウム鋼板と言って耐久性の高いメッキ仕上げを施した板金でできています。
また、こちらの中尾様のお住まいは屋根の勾配が非常に緩いです。屋根の勾配が緩いと、屋根材を重ねて葺いていく通常の瓦屋根やカラーベストの施工方法では屋根材の中に吹き込んだ雨の水切れが悪く、10年20年のスパンで見ていった時に屋根下地が傷んでくる可能性が非常に高くなります。
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お陰様で、雨漏り修理などで屋根の葺き替えなどをさせていただく機会も多いのですが、勾配が緩い屋根はだいたい雨漏りの原因になっています。
最近は新築でも見た目を重視してかなり勾配が緩い屋根で施工されている屋根がありますが、屋根仕上げ材を問わず、勾配が緩い屋根は20~30年くらいすると下地が腐ってくるリスクと雨漏りのリスクが大きいです。ゆるやかな勾配の屋根は見た目はいいんですが、長持ちという観点では疑問を感じますね
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中尾様の現場では「立平葺き」と言って縦の屋根材の継手が無く、水ハケが良い屋根の施工方法を採用しました。現在の勾配は変えられませんので、一番水キレの良い屋根の仕上げです。
工場で成形するので、色々なパターンがあります。
立平葺きは工場で形を成形してくるため、屋根材は統一感があって非常に綺麗です。屋根下地もやり直したのでとてもしっかりしています。これで次に台風が来ても安心ですね
内部も修復をします
中は濡れてぐちゃぐちゃになってしまった天井材を撤去し、下地調整をしながら新しい天井下地を施工していきます。
天井の断熱材も入れなおしました。工事の様子の一部始終はワンちゃんが監視しています・・・
最後に天井仕上げにクロスを張って工事完了です。
工事完了後は「以前よりも家の中が暖かくなって、台風前とぜんぜん違うわ」と喜んでいただくことが出来ました。中尾様、ありがとうございました!
中尾様の台風被害修復工事の様子はこちらです
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