保険を利用して、浜松市中区で10年以上続いた雨漏りの修理
こちらのお客様は雨漏りを何とか直したいと、ホームページよりお問い合わせいただいたお客様です。工事現場は浜松市中区になります。
それほどひどい雨漏りではないものの、10年以上前から雨漏りがずっと続いているということで大変困っていらっしゃいました。こちらのN様のお宅では、原因となりそうな個所がいくつかあったため、完全に原因を特定するのに苦労しましたが、現在は完全に雨漏りが直りました。長い間雨漏りに悩まされている方は必見ですよ
お電話にてお問い合わせを頂いてから、原因の特定と修復のお見積もりを提出するために雨漏りのある場所を点検させて頂きます。雨漏りは必ず原因があるので、それを見つけて原因を解決するのが一番大事です。
また、雨漏りの場合は保険が利用できないかチェックするのも大事なポイントです。下見時に被害の様子を見て保険で申請できそうなポイントを見つけます
まずは雨漏りの状況をチェックします
これが雨漏りの場所、2階の東面廊下の天井です。長く続く雨漏りで、廊下の天井材の化粧ベニヤはボロボロになってしまっていました。
水滴が滴る程度の雨漏りが10年以上続いていたとのことですが、なかなか直す踏ん切りがつかずそのままにされていたようです。天井も水気を含んだ影響で大分ベコベコしています
天井の上のこの屋根付近から雨漏りがあるようです。
まず外部からの雨の侵入経路を探します。そのために、屋根を点検して雨漏りの原因を調査していくのですが、こちらのN様の自宅は築45年ほど経っているということで、部材の劣化などもあるため雨漏りの原因を一つに特定するのはかなり難しい状態でした。
そこで順番に怪しい箇所をピックアップしていきます。いきなりすべてをやり直すとなるとと大きな工事となってしまうので、雨漏り修理の場合は様子を見ながら順番に工事していく場合が多いです。
こちらは雨漏りの原因の一つとして考えられる破風板(はふいた)です。写真中央の茶色に塗装された木の板が破風板と呼ばれる部材です。こちらをよく見ると、破風板の下に大きな隙間があります。隙間自体は問題ないのですが、隙間から見える土がかなり流れてしまっていますね。
そのため土が流れだして、奥の木部に水が染みて雨漏りの原因になっていることが原因として考えられました。N様から事前に伺っていた雨漏りは強い雨と風を伴う時が多いとの事だったため、こちらの屋根からの雨の吹き込みは結構すごそうです。
廊下の天井の化粧ベニヤを取り外しました。ここから上を見ると屋根下地や構造の目部にシミがありますね・・・
この様子から雨漏りは壁からの吹きこみではなくて、屋根からの漏水と判断できます。ただ、現在は木も乾いているので木の状態は悪くないようです。
雨漏り修復作業を開始します
まず、面土が見えてしまっている部分に漆喰を塗り直しました。また、ベニヤに色を塗って剥がれかかっていた軒天井は耐久性の高い珪酸カルシウム板を加工して貼りました。これで耐久性がグッとアップします
更に、木にペンキ塗りで仕上げていた破風板は非常に耐久性の高いガルバリウム鋼板の板金破風板でカバーして耐久性をぐっと高めました。塗り替えの時期が来てもペンキが綺麗に塗れますので破風の板金巻きは非常にお勧めです。
雨漏り場所付近の屋根瓦です。こちらも雨漏りの原因として怪しい箇所です。通常はもっと奥まで瓦を差し込んで葺くのですが、こちらは差し込みの寸法が浅いので風を伴った雨の時に雨が吹き込んでしまう心配があります。
雨が吹き込んでしまった場合家の構造体が痛んでしまいますから、雨仕舞いを考えた部材のおさまりはとても大事です
そこで、金属板を瓦に重ねるように差し込んで処置しました。この部分の葺き替えとなるとかなり大規模な工事となってしまいますから、金属板を差し込むことで水の流れを取る処置をしています。
屋根の部分漆喰、破風板金、軒天井工事はこれで完成です。
もう一度原因を追求して雨漏りを直します
しかし、雨漏りが直ったかと思ったのも束の間、今までの屋根周りの工事のあとに降った雨で、また天井から雨漏りがありました。
修理した場所は雨漏りの原因ではなかったのです。そこで、原因となりそうなもう一つの場所である屋根瓦の部分葺き替えをさせていただくことになりました。
屋根を部分葺き替えします
雨漏りを直すために下り棟(くだりむね)の瓦を一回撤去して原因を追求します。瓦をめくってみると中の土がボロボロです。この状態にすることによって雨漏りの原因がハッキリとわかりました。
↑ズバリ! この瓦が原因です。
指を指している部分のすぐ下の瓦が3分の1くらいカットしてあるのがわかりますか?この部分の瓦は上からの雨を下に流す大事な瓦なので、カットなどせずに葺かないといけない部分です。
しかし、この瓦を下り棟のスタート地点に設定したためか、新築時に施工した瓦職人がカットして葺いてしまっていたんですね。漆喰が詰められていたので、ある程度は漆喰が壁となって雨漏りを防げていたんですが、年月が経ってだんだんと染みこんでしまった雨が天井から漏れてきたわけです
そこで、この瓦を同じ種類の瓦のカットしていないものに交換しました。これで上の瓦から伝わってくる水は下に流れるようになりました。
今回の雨漏りの原因は・・・
雨漏りの原因を詳しく解説していきます。
瓦を伝ってくる雨の水道(みずみち)をつくっておかなければならない部分に面土漆喰が詰められていました。このままでは瓦を伝ってきた雨が漆喰にあたりジワジワ~ッと中に染みこんでしまいます。そこで、この水道の下の瓦もしっかり葺いてあれば良かったのですが、上の写真のように瓦をカットして施工していたためにそこから水が染み込んでいたわけですね
そこで葺き直し後は右の写真のように水道の漆喰を取って下の瓦に水が流れていくようにしました。そのためこちらの瓦で水道(みずみち)を確保するために漆喰を一部撤去するようにしています。
更に・・・
こちらが棟瓦(むねかわら)とよばれる屋根の一番上の瓦の断面です。のし瓦という板状の瓦を3段ほど積んでから、半円状の冠瓦を上にかぶせるのが正しい施工方法です。
この部分が雨漏り場所の真上辺りになるのですが、のし瓦と呼ばれる3段積んである瓦も、一番下ののし瓦が外に広がりすぎて雨が入りやすくなっています。こちらも瓦葺き替えの際に一緒に直しておきます。原因がハッキリした後は瓦を正しく葺き直して工事完了です。
この瓦の工事後は、10年以上続いていた雨漏りがピタリと止まり、台風などで吹きこみの雨風があっても雨漏りはしなくなりました。大得工務店からは工事箇所の雨漏りの5年保証を付けて、お客様にもご安心いただきました。
廊下の天井の修復工事開始です
次は内部の天井の修理です。痛んだ部分を撤去してから新しい天井材を施工します。仕上げは工事前と同じベニヤにしました。工事施行前は普通のベニヤにペンキが塗られていましたが、今回は木目が印刷されたプリントベニヤを選択しています。色が明るくなったことで、廊下の雰囲気も変わりましたね!
ベニヤの周りはヒノキの見切り材をまわして継ぎ目が綺麗に収まるように処理しています。また、万が一雨漏りがあった際も天井裏をのぞける様に、白い枠の天井点検口を取り付けました。
N様には「保険の事も提案してもらって保険金が出たし、雨漏りも直ってよかったよ」と喜んでいただくことが出来ました。雨漏りの原因をしっかりと修復して保証もお付けしたので、今後もご安心いただけると思います。
N様ありがとうございました!
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