浜松市南区で台風被害を受けたモニエル瓦を葺き替えリフォーム

010こちらのお客様は、以前ホームページをご覧になってお問い合わせを頂き、それからおつき合いさせて頂いているお客様です。お住まいは浜松市南区で築20年の家にお住まいです。

今回は、平成23年9月に浜松市に上陸した台風15号が通過した際、屋根瓦等の外装が大きく損傷してしまったため、すぐに大得工務店にご連絡を頂き外装の修復工事をさせて頂くことになりました。

こちらも、台風15号の被害の大きさが実感できる事例になります。

こちらの谷川様から最初にご連絡いただいたのは、台風が通過した9月21日の夕方でした。台風通過後はたくさんのお客様からご連絡を頂いたため、人員的にパンク状態でスムーズにお客様への訪問ができず、大変歯がゆい思いをしました号泣

台風通過直後、屋根の状態はこんな感じでした

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台風で屋根瓦とテラスの雨樋破損してしまいました。特に屋根瓦は、状況によっては雨漏りの原因にもなってしまう部分ですので、早急に対策していかなければなりません。

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遠くから屋根を見た様子です。瓦が飛んでしまい、屋根にあるテレビアンテナが倒れてしまっている様子がよくわかります。

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屋根に登りました。

屋根瓦の山を抑えている「棟瓦」が大分飛んでしまっています。その下からは茶色の瓦土が見えている状態ですね。屋根瓦や瓦土の下には防水シートが敷いているのですぐに雨漏りしてしまうわけではありませんが、屋根瓦はなるべく早く修理しなければなりません。

しかし、谷川様のお住まいの屋根瓦の修理には一つ問題悲しいがありました。

屋根瓦の修理がすぐに出来ない理由

それは、同じ形の屋根瓦が手に入らなかったことです。同じ形の屋根瓦はすでに生産されておらず、製造メーカーも廃業してしまっていました。

谷川様のお住まいの屋根瓦は「モニエル瓦」と言って、セメントを材料に使った屋根瓦でした。この種類の瓦は陶器の瓦よりも安いのですが、日本では流通量自体があまり多くなく、同じ形の瓦を新規に手に入れることが非常に困難です。

今回の被害のように、屋根瓦が部分的に飛んでしまった場合は、通常同じ物用意して葺き直せばいいのですが、あいにくアドバンスドタイルズジャパン㈱(前社名ラファージュルーフィング㈱→旧社名日本モニエル㈱)という製造会社がすでに解散しており、谷川様のお住まいの新築を手がけた住宅業者も住宅事業から撤退している状況だったため、同じ瓦を手に入れることができませんでした。

また、20年前に谷川様の屋根工事をした瓦業者も探しだして聞きましたが同じ形のモニエル瓦の在庫は持っていないとのことでした・・・失恋

そのため、お客様と保険会社には破損した瓦だけの部分的な修繕が出来ない旨をご説明し、陶器の平板瓦にて被害面だけの部分葺き替えをする方法と、屋根面全面葺き替えをする方法の2パターンにて修復工事のご提案させて頂きました。

瓦を特注品で制作してもらうことも検討しましたが、数ヶ月の納期がかかってしまうことと、費用対効果で割に合わないとのことで断念いたしました。

[note]今回に限らず、住宅工事に使う建材は手に入りやすい定番の部材を使用すると、10年20年先の修繕やリフォームの時に困ることも少なくなると思います。

例えば、今回の台風被害修復工事でも陶器の和瓦などであれば、築後70年経っても同じ形の瓦を部分的に葺き替える工事が出来た事例もあります。定番の建材ばかりがいいという訳ではありませんが、住まいを計画する際は修理のことも考えて建材選びをするのも一つの方法ですよねひらめき[/note]

保険会社との交渉の末、保険が通りました

保険申請後、事情等をある程度受け入れてもらうことが出来て、見積額の満額ではないものの屋根修理のための保険金がおりました。

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台風15号で被害を受けたのは平成23年9月で、工事をさせていただいたのは平成24年の3月だったので、保険金が下りて、実際に工事にかかるまで実に半年近くの時間がかかりました。そのため、工事に入るまでは、写真のような一時的な雨押さえをして凌いで頂きました。

屋根瓦葺き替えリフォームを開始します

工事は、仕上がりと長い目で見た時のメンテナンスを考慮して全面葺き替えで進めさせていただくことになりました。

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まずは、古い瓦をすべて撤去します。瓦を撤去した後は残った土や釘などを手作業で掃除していきます。高いところの作業は結構大変です。

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写真で見えているのは屋根の下にあったアスファルトルーフィングという防水シートです。このままでも使えないわけではありませんが、釘穴も多数ある上に年数の経過による劣化もあるため新しいものに交換します。

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瓦を留めておくための「桟木」も傷んでいましたので、新しいものに交換します。屋根の上は資材の上げ下ろしも大変です・・・晴れ

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新しいアスファルトルーフィングを敷きこんで防水層が完成しました。

新しい防水層の上には、まず縦に薄いベニヤ板を張ってから横に新しい「桟木」を施工します。こうすることで瓦の下に空気が通いやすくなるというメリットがあります。また「桟木」にする木材は耐久性が高いヒノキ材を選択しました。

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この桟木は屋根瓦を打ち付けるための骨となるため、等間隔で丁寧に施工していきます。「桟木」が出来たら新しい瓦を施工していきます。

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仕上がりました。瓦職人歴50年の大ベテランの職人が丁寧に葺いた屋根瓦です。規則的に並んだ瓦のラインはとてもキレイですねGOOD

屋根瓦葺き替え工事完成しました

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新しい屋根にカラスがとまっています。なんだか気持ちよさそうですね

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玄関側から見た外観の様子です。以前からこの色味だったかのように、外壁や窓サッシと馴染んでいますね爆笑

工事後は「葺き替え終わった屋根は周囲からも好評です。ネットを見ての直感が当たり、大得さんに頼んで良かったと思いますジョークと喜んでいただくことが出来ました。谷川様、ありがとうございました!

工事終了後に頂いた嬉しいお声はこちらです

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